「平気?」
時計を見るとまだ午前2時。月美は早退してくれたのだ。
「…ごめんなさい。」
月美は弱く笑って、布団をぽんと叩くと、後ろを向いて
「入ってきて。」
と誰かを呼んだ。徹だろうか。多分月美の細腕だけでは、和を運べない。

トラの刺繍の入った青いスカジャンには見覚えがあった。
「…りゅうちゃん?」
「よぉ。」