胸がずき、と痛んだ。

りゅうちゃんが、新しい彼女を作って、何もなかったように、和にしたように
その子に優しくしてる。

想像するだけでぽろぽろ、と涙が出た。
「…そんなとこだけガキなんだな。」
「…やだ、とおるさん、やだよぉ、りゅうちゃん、さがしてよぉ、はやく…。」
徹は和を抱き寄せた。
「お前にそんな顔させる男は、悪い男だなぁ。」
マスカラもシャドウも落ちていて、あわてて顔を隠す。
化粧をしている時間のほうが、素肌で居る時間より長くなっていた。

そして、ワガママを言っても、自分が男に嫌われないことも、なんとなく判ってきていた。