和は家事の合間があると、月美がくれた化粧品でそぉっと化粧をするのが好きになっていた。
惨めな家出中学生の面影は、月美好みの派手な服装や化粧が消してくれた。

ある晩、月美が帰ってくる時間よりずっと早く、呼び鈴が鳴った。
「はぁい、あ、徹さん…。」
「すまない、この間忘れ物をしてな。」
徹はダイニングに置き忘れたエルメスのライターを取り、ポケットに入れた。
後から考えれば、そんなことは口実だったのかもしれない。
水商売の癖に酒の飲めない徹の為に茶を入れていると、徹が呟いた。
「…しばらく見ない間に妙に色っぽくなったな。」
え、と顔を赤らめると、もうソファに組み敷かれていた。
ストライプのシャツを開かれる。ボタンが飛ぶ。