和は、タダで家に置いてもらうのも何かと思い、月美の家の家事をはじめた。
月美は徹さんと言うあの男の人の経営するクラブでホステスをして働いていた。
「徹ちゃんね、すっごいいっぱい店持ってるのよ。水商売だけじゃなくてご飯の店とか、バーとか、カフェもあったかな。だから和ちゃん、なんでもねだっちゃいなさい。」

それでも知らない人になにかを頼むなんて出来なくて、徹さんがくるといつも恥ずかしそうに与えられた寝室に入ってしまっていた。
徹さんも月美さんが気にいっているだけで、しばらく話をするとなにをすることもなく帰るのだった。
「月美さん、徹さんは月美ちゃんの事スキじゃないのかな?」
月美が水をぶは、と吐く。
徹ちゃんはあたしがこっちの子だって知ってるよ、うふ、と艶っぽく笑うと和の唇を吸った。