「かーず。」
りゅうちゃんが、セーラーの襟のホックをぱちん、と外す。
あたしはりゅうちゃんのシャツの裾から手を入れる。
ホテル代も出せない若すぎる二人には、いつも親の居る家しかなくて。
与えられたのは、かび臭い体育倉庫。
りゅうちゃんの栗色の髪を梳く。
何だその頭、って生活指導に呼び出されていたけどりゅうちゃんは黒髪よりずっとこっちのが似合う。