裏切りそして塀の中。

さおりを見ると嫌面全開でこっちを見てた。

さおりのあの顔はたぶんヤっただろう。

帰りの車の中で誰一人として話をしようとはしなかった。

さおりは寝て、私は流れる景色を見ながらぼーっとしていた。

駅に着いて車をおりた。

『ありがとう、楽しかった。またいつか会ったら遊ぼうね。』

私の別れのセリフだった。
番号は聞かない、教えない。エッチもなし。

これだけは守っていた。

あの日の事があったから…。


男の人と別れてからさおりは泣きそうな声で、

『よくあんな事できたね。痛すぎ!顔はキモイし。もう絶対せん。』

『いいやん。もう処女じゃないんやけん。』

『まぁそれはそうやけど…。』

結局さおりはやれてよかったと思ってたはず。

この日を境にさおりの遊び方が派手になっていった。

その日私は後輩の"あさみ"と一緒にいた。

あさみもシンナーしてたし、一個下だけど、仲良かった。

私はあさみを大事にしてあさみも私を大事にしてくれた。

あさみとつるむようになって、ギャラリーをするようになった。

私は前からバイクは好きだった。特に暴走族はたまらなく好きだった。