裏切りそして塀の中。

『今やぎらぁのお母さんから電話があった。それで聞いたとばってん、子供が出来たって本当か?』

私はバカなので、最初理解が出来なかった。

《でもけん言ったってゆってたよね…。》

私は頭の中でいろいろ整理してるとけんが答えた。

『うん。』

『なんでそれば早よゆわんとか!俺はなんもきいとらんぞ。』

《はぁ!?でもけんゆったってゆったやん。》

『うん…。』

《えっ!?うんって…はっ?意味わからんくなってきた。》

『やぎらぁもなんでゆってくれんとか?毎日顔合わせよったやんか。』

《えぇ!?けんがゆうってゆって言わせてくれんかったもん。》

『いや…』

『俺がゆわんでいいってゆったとやん。』

『そげんゆってなんでお前はゆわんやったとか?』

《もう、言ったってゆってたやん!もう理解不能。》

『いや…。』

『まぁとにかく体大丈夫とか?子供も。』

『あ、それは大丈夫です。』

『今何ヶ月?』

『もう半年です。』

『はっ!?全然お腹出てないやんか。そりゃあきずかんばい。ん?なら旅行行ったときは?』

『はい。もう出来てました。』
確かに私はお腹が全然出なくて、元から少し太ってたので、また太ったぐらいにしか思われてなかった。

『もうちょっと早くゆってくれんとなぁ。まぁなんもなかったけんよかったけど。』

そんな感じで話終わってけんと部屋に戻った。
私はキレて、けんと話す気もなかったので、すぐに寝た。

次の日私は母親に話を聞いた。

『なんち言いよらした?』

『はぁ?来年の5月に籍ば入れたいってゆったげなよ。なんば考えよるかわからん。』

『なんそれ?』

『来年5月って子供も生まれとるって話よ。』

『昨日電話した後呼ばれて、けんやしやし言われよったもん。』

『ならよかけど、今度からなんかあったらあんたから言わんねよ。』

確かにそう。
私から言っておけばこんな事にはならなかっただろう。
けんに言わせた私がバカだった。

そして11月の22日に籍を入れることにした。
良い夫婦になれますようにと、いう意味を込めて…。