裏切りそして塀の中。

9月になって旅行もなんなく済んだ。

でも相変わらずけんはパパに言う様子はなかった。
私はそれについて無理矢理言わせようとはしなかった。

10月になっても言ってなかった。
それでも赤ちゃんはすくすく元気に育っていた。

11月に入った。
まだ言わなかった。
でも我慢の限界がきていた。

『ねぇ、まだ言ってないと?いつゆうとね。』

『ゆってないけど、今度ゆうけん。』

『なら今日言ってよ。言いたくないなら私からゆうよ?』

『わかった、今日ゆう。』

何事もなかったようにご飯を食べ部屋に戻った。
とりあえず今日言うといったのを信じて何も言わないでいた。

お風呂に入り、リビングに行くともう、パパ達は部屋に行っていた。

《結局言わんじゃねーかやん。》

と思いながらも、

『言わんと?』

と聞いてみた。

すると嫌々部屋に行った。

私はけんの部屋に戻っていた。
すぐ戻ってきた。

『言ったら、わかったって。』

『そうね。よかった。子供出来たってゆったらなんて?』

『子供の事はなんも言いよらんかった。』

私はなんか変とは思ったが、とにかく一歩前進したので安心していた。

この行動が後に大変な事になってしまう。

母親にこれを報告したら、なんか怪しいと言いだした。
挨拶を兼ねてけんのパパに電話する事になった。

ご飯を食べ部屋でくつろいでたところに、パパから呼び出された。
リビングに行くと、ママも一緒に座っていた。
なんとなくパパが怒ってるのがわかった。
でもなぜ怒ってるのか私にはわからなかった。

『お前たちちょっとそこ座れ。』

私もけんもパパ達の前に座った。