裏切りそして塀の中。

『お前本当にたいがいにせんか!もうここまで来とるとやけん嘘ばつかんで本当のことばゆわんか!』

完全に脅しだった。
17歳の女に対しての口調じゃなかった。

『嘘ばつくな嘘ばつくなって本当の事いいよるとに、なんばゆえってゆうと?入ったって嘘ばつけっていーよるのと一緒やんかやん。』

『もうよか。お前げな少年院まで行ってこい!』

『あぁ、行ってやる。』

正直怖かった。
同行していた婦警もびっくりした顔をしていた。

泣きそうになったけど、必死に我慢した。
警察の前では絶対泣きたくなかった。

泣いたら負けだと思った。

この世に本当に神様が居るのなら誤認逮捕とか絶対ないと思う。

私は神を絶対信じない。


私は鑑別で毎日を大事に過ごし、一日も早く出たかった。

審判の為に裁判所から調査員という人が面会に来た。

"工藤さん"

私は工藤さんの前でだけ、素直になれた。

初めて会った日から私の事を信用してくれた。
だから私も信用してなんでも話した。

工藤さんは、

『やぎらぁがはじめと付き合いよるとか?お前この男とだけは付き合っちゃいかんもん。こいつは最低ぞ。別れた方が自分の為ぞ。』