裏切りそして塀の中。

判決は鑑別所送致だった。

納得行かなかったけど、しょうがなかった。

母親に毎日言われていた事を思い出した。

『あんたが悪いことせんでもそこにおったならあんたも共犯なんやけんね。』

たしかにそうだった。

私は入ってなくてもそこにいたからには私も共犯だった。

手錠されて腰ひももされたまんま護送車に乗せられて鑑別所へ行った。

周りのすべての風景が悲しかった。

鑑別では夜になると電気を消されて5分反省の時間があった。

私は毎日泣いた。
ワケもわからずなぜか涙が出てきてた。

鑑別に行ってからは3日に一回母親から手紙がきた。

今でも大事にしまってある。

それを励みに毎日すごした。
私の楽しみはそれしかなかった。

私は鑑別に行っても入ってないと言い続けた。

現場検証をするために洋服屋に行ったとき、私は警察に脅された。

だから入ってないと言い続けようと決めたのだ。

朝8時から洋服屋まで行き、警察は私に言った。

『じゃあ今から写真とるけんこの鍵のところ指差して。はい、じゃあ次はどこまで入ったか写真とるけんゆって。』

『やけん入ってないって。』