「最初は順調なように見えたんだ…
だけど、半年を過ぎたころから何かが変わり始めた。
教師って、俺らが思ってるよりも忙しくて時間がない仕事なんだよな。
香織先生は
高校生の男が付き合う相手にしては、大人すぎた。
すげー忙しくて、慎吾に費やす時間があまりなかったんだ。
最初は慎吾も気にしていなかったらしい。
だけど、慎吾にとっては初めて手にした居場所だったんだ。失いそうになって、恐れる気持ちが強くなった。
しょせん、15、16だったんだよ。
香織先生との恋愛を受け入れてやってくには、相当な精神力を使ったんじゃねーかな。
慎吾は…
どんどん香織先生に束縛するようになった。
好きで好きでたまらなかったんだ。
だから、会えないと怖くなるし
香織先生が仕事に集中してるうちも自分はずっと彼女のことで頭がいっぱいなわけ。
今考えれば、なんか…女子みたいだけど
その頃の慎吾は
そうして必死になる以外になかったんだ。
香織先生は、慎吾の愛の重さに…耐えきれなくなっていった。
慎吾のことは好きなんだ、でも
自分の仕事も大事。
香織先生は生徒をすげー大事にする先生だったから。
仕事に関しては適当になんてしたくなかったんだと思う。
慎吾の気持ちに答えてあげたくても、できなくなった。」
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