「水嶋!」


振り向きもせずに、立ち上がって体育館の出入口に走る。


―――そういえば、転ばなかったな、って。


つまらないことが思い浮かんだときには、体育館からけっこう離れた階段の踊り場にいた。


眞鍋くんは、


追いかけてこなかった。