ノイズ

念のため、玄関のドアをゆっくり開けてみたが、数台の車が止まっているだけで人影は全くない。


誰もいないみたい。


取材班はどうやら引き上げた後らしい。


普段通りの静かな住宅街に戻っていた。


門扉を閉めて道路に出た2人は、児童公園の中を並んで歩いた。


公園の脇に立花の車が駐車してある。


「あまりいい車じゃないが乗ってくれ」



助手席のドアを開けてくれたが、可奈は遠慮して後部席に座った。


「この近くにファミレスがある。そこで話そう」



「はい」



可奈は制服のポケットから携帯を取り出し、切ってあった電源を入れた。


電源を入れた途端に、メールの着信音が車内に流れる。