ノイズ

「…思い出に浸るのもいいが、いつまでもここにいても仕方ない。良かったら場所を変えて話さないか?」



「あっ、ご、ごめんなさい」



ついついアルバムに夢中になり、幼稚園時代に心が戻っていた。


可奈は持っていたアルバムを本棚に戻すと、立花を手伝って部屋を片付けた。


「坂井、用は済んだから俺は帰るぞ」



階下に行き、立花が和室にいる順一に声を掛ける。


「色々とすまないな、立花。何かわかったらいつでも連絡してくれ」



「あぁ、わかった」



「可奈ちゃんも今日はありがとう。明日がその…通夜だから…」



可奈は返事の代わりに首を前に傾けてみせた。