ノイズ

可奈は床に散乱した本の中から一冊のアルバムを手に取った。



そのアルバムはピンク色の横長タイプの製本で、アヒルや象の可愛らしいイラストが描かれていた。



表紙をめくると幼い顔の裕美の写真と、小さな手形があった。




可奈も通っていた幼稚園の卒業アルバムだった。



裕美とは幼稚園で友達になったんだっけ……



遠足や行事の写真を見ていると、懐かしさで胸がいっぱいになった。



裕美は幼稚園の時から多くの友達に囲まれていた。



同じ組の子はもちろん、年長組の子にも人気があって、みんなで裕美の取り合いをしていたものだ。



「ゆみちゃん、こぉこっ！ゆみちゃん、こぉこっ！」



裕美が幼稚園バスに乗ると、必ずゆみちゃんコールがおこって先生も驚いてたっけ。