ノイズ

「君は誰だ?」



男はいきなり部屋に入ってきた可奈に驚いた様子もなく、その表情を変えずに言った。



「あなたこそ誰なんですか?早く出ていかないと人を呼ぶからっ!」



部屋の中を見渡すと、机の引き出しは開けられ、床の上にはアルバムやらノートが散乱している。



まずいやっぱり泥棒だ。




可奈は一人でドアを開けたことを後悔した。




「何を勘違いしてるのか知らないが、俺は順一に頼まれて調べてるだけだ」




「え?順一って、裕美のお兄さんの?」




「そうだ。他に誰がいる」



「調べるって、あなたいったい何を調べてるんですか?」



「きみに言う必要はない」



男は冷たく言い放った。