ノイズ

どうして指輪が……?


手の平に乗っていたのはプラチナの指輪だった。


小ぶりだが台座には赤いルビーが乗っていて、高価そうな代物だ。


これ、あたしのじゃないし、拾った覚えもないんだけど……


いつポケットに入ったんだろう?


可奈は首を傾げた。


「可奈、降りるぞ」



「…え?あ、ごめん」



慌てて、指輪をポケットの中に押し込んだ。


車はすでに、後藤家の駐車スペースに止まっている。


文也と一緒に車を降りた可奈は、玄関に入ろうとドアノブに手をかけた。