ノイズ

「ほら可奈。行くぞ」



ハッとして顔を上げると、文也がスクールバックを持って戻ってきた。



「…あ…ごめん」



そう言えばあたし、保健室でどの位眠ってたんだろう。



制服のポケットから携帯電話を取り出す。


携帯の液晶画面のデジタル時計は、正午を少し過ぎたばかりだった。


まもなくお昼休みに入る頃だ。


いつものように生徒用玄関から出ようとしたが、途中で施錠されていることを思い出し、職員用玄関へ向かう。



外に出た二人は、あまりの熱気に思わず顔をしかめた。



「後ろ乗せてやっから、今日は自転車置いてけよ」



大人しく文也の自転車の荷台に座る。