ノイズ

ようやく少女から解放された可奈は、崩れるように膝をつくと、ゴホゴホと激しく咳き込んだ。


また襲ってくるかも知れない。


警戒しながら後ろを振り返ったが、少女の姿はどこにもなかった。


同時に闇の気配も消えている。



「おい可奈!大丈夫か?」



廊下の床に座り込んでいる可奈を見た文也が、慌てて駆け寄ってくる。



文也ってば、気付くの遅いよ!



頭をグーで殴ってやりたかったが、ここは我慢することにした。



「保健室行くか?」



貧血でも起こしたと思ったのだろう。


心配そうに可奈の顔を下から覗いている。