ノイズ

さっきより、闇の気配が濃くなっているような気がする。


前を歩く文也との距離がやたら遠くに感じられた。



「…ひっ……!」



ふいに、氷のように冷たい手が可奈の首筋を撫でた。


同時に腐った魚のような臭いが辺りに充満してくる。


可奈の背中に誰かがピタリと張り付いて、そろそろと白い腕を伸ばしてくる。


白い腕は、可奈の首を徐々に締め上げ始めた。



「…う…うぅ……」



尚も首を絞め続ける腕を振りほどこうと、可奈は必死に抵抗した。


やはり<こっくりさん>のあの子なのだろうか。