ノイズ

「文也。あたしの後ろに……何かいない?」



「何かって何だよ?」



「…ヘンなもの」



「はぁ?何だよそれ」



「いいから。早く見て」




しゃーねーな、と呟きながら文也が可奈の背後に回る。



「ったく何だよ。ほら、何もいないぜ?」



「本当に?」



何もいないと言ったけれど、文也は自分と違って霊感もないし、霊をみる能力もない。


怖いけど、やっぱり自分で確かめるしかないか。


可奈は意を決して後ろを振り返ることにした。