ノイズ

聴取は主に山崎という若い刑事が行った。


あたり障りのない会話から始まり、悩みや友人関係などトラブルがなかったか聞かれた。


裕美はクラスのムードメーカーであり、後輩の面倒見もよく、いじめやトラブルとはおよそ無縁のタイプだった。


「裕美さんは怪しい薬や覚醒剤とかやってませんでしたか?」



「覚醒剤って、裕美はそんな子じゃないです」



いくら疑うのが警察の仕事だからってひどい……


可奈は唇をギュッと強く噛んだ。


裕美は真面目な生徒で、クラブにすら遊びに行ったことがないのだ。


そんな裕美と覚醒剤など、結び付くはずがないではないか。


可奈の中に警察に対する不信感が芽生えた。


「後で何か思い出したら、連絡してください」



二人の刑事から名刺を受け取って、可奈は廊下に出た。