ノイズ

「え?」



キッチンを見ると、トースターから煙りが上がっている。


急いで食パンを取り出したが、パンはきつね色を通り越して真っ黒になっていた。


あたしって不幸……



真っ黒に焦げた食パンにバターを塗りながら、三回目のため息を付く。


「可奈ちゃん、新しいパン焼こうか?」



「ううん。これ食べるよ。あんまり時間ないし」



黒焦げのトーストは固くてまずかったが、我慢して食べた。


残りをコーヒーで流し込む。


「ごちそうさま。行ってきます」



じゃれてくるショコラの頭を撫でると、玄関のドアを開けた。