ノイズ

「な、なにをするつもりなの……?」



乱暴だけが目的だとは思えない。


得体の知れない恐怖を感じた美咲は、震えながら頭上の沢村に尋ねた。


「残念だけど、君は地獄行きの特急列車に乗ってしまったんだよ。もう途中下車は許されない」



沢村は冷たく言い放つと 、美咲の腕に注射器を突き刺した。


「いたいっ」



一体何の薬なのか。


消毒もしていない針から注入された薬は、じわじわと美咲の体を蝕んでいく。


家出なんかしなきゃよかった。



お父さん、お母さんごめんなさい。



美咲の目から涙がこぼれた。