ノイズ

彼女って誰だろう。


もしかして立花さんの恋人?


「彼女って、恋人ですか?」



「そうだ。彼女の誕生日に俺たちは婚約したんだ」



「じゃあ、この指輪はエンゲージリング……」



それならどうして、彼女に送ったはずの指輪があたしのスカートのポケットに入ってたの?


考えれば考えるほど、頭の中がこんがらがってくる。


「立花さんに婚約者がいるのはわかったけどさ、証拠はあるわけ?」



「証拠?何の証拠だ?」



「そのエンゲージリングの持ち主が、立花さんの恋人だっていう証拠さ」



ソファから立ち上がった文也は、可奈を庇うように隣りに立った。