ノイズ

「立花さん……」



何て鋭い目なんだろう。


立花の視線からレーザー光線が照射され、指輪を跡形もなく焼き尽くしてしまうのではないか。


そんな錯覚に陥ってしまう。


「その指輪、俺に見せてくれないか?」



「いいですけど……」



可奈は持っていた指輪を、立花の手の平に乗せた。


気のせいだろうか。


ルビーの指輪は立花の手に触れて、さらに輝きを増したように見えた。


指輪を人差し指と親指で挟み、目に押し付けるようにして眺めている。


「…やはり間違いない。この指輪は俺が彼女に送ったものだ」