ノイズ

文也は隣りの可奈をチラリと横目で見てから、グラスを手に取ってストローを口に含み、勢いよくアイスコーヒーを飲み干した。


空になったグラスの中で、歯の形の氷がカランコロンと音をたてて転がる。


「ホラーっぽい、か。高校生の感覚にはどうもついていけない」



立花はそう呟くと、胸ポケットから新しい煙草を取り出してZippoで火を付けた。


少し上に向けて煙りを吐き出す。


「あんまり煙草吸わないでくださいよぉ~後で消臭剤撒くのたいへんなんですから」



「安心しろ。これで終わりにするつもりだ。『死のサイト』に関する情報もこれ以上はなさそうだしな」



「役に立てなくてすみません」



佐々木が申し訳なさそうに頭を下げる。


「『死のサイト』は呼ばれないとダメだって言うし、仕方ないんじゃね?な、可奈?」



「……うん。そうだね」