ノイズ

「そうですよぉー可奈ちゃんは女子高生なんだから可笑しくて当然です」



佐々木がうんうんと首を縦に振り、頻りに頷いて見せた。


「えと、その、ごめんなさい……」



可奈は気まずい空気を生み出した責任を感じて思わず俯いてしまった。


立花はテーブルに向かうと、煙草を灰皿の上で揉み消し、アイスコーヒーを渇いた喉に流し込んだ。


「…佐々木、この氷は何だ」



グラスの中には歯の形をした氷が２、３個浮かんでいた。


「あぁ、それ。駅ビルの雑貨屋で買ったんですけど面白いでしょう？」



「…入れ歯が入ってるみたいで何とも気色悪いんだが」



グラスに入った犬歯付きの氷を眺めると立花は軽いため息をついた。


「そうすっかね？ホラーっぽくて俺は好きだけど」