ノイズ

「ちょっと文也、失礼だよ!」



可奈が文也を黙らせようと、脇腹を肘でつついた。


だが、本当は可笑しくて堪らず、笑いをこらえるのに必死だったのだ。


二人のやり取りって、まるで漫才やってるみたいなんだもん。


さしずめ、佐々木がボケで立花がツッコミといったところだろうか。


クールな敏腕記者としての立花のイメージは、可奈の中ですっかり崩れてしまっていた。


「……佐々木といると調子が狂うんだよ」



「また僕のせいですか?立花さん、大人げないですよ」



「…もう……ダメ…お腹痛い……」



腹部を押さえながら、体を折り曲げるようにして可奈はテーブルに突っ伏した。


「可奈ちゃんどうした?具合でも悪いのか?」