「佐々木、そういうのは社会部の連中の仕事!俺たちには俺たちの仕事があるだろ」



「でもぉ〜立花さぁ〜ん」



「変な声出すな。気色悪い。さっさと仕事に戻れ!」



立花の怒鳴り声が合図になったのか、テレビを見ていた社員たちもそれぞれの仕事に戻りはじめた。


佐々木はまだ何か言いたそうにしていたが、渋々自分のデスクに戻っていった。


「…自殺した女子高生の身元が判明したようです。雛森市在住の私立東邦学園一年坂井裕美(サカイユミ)さん15歳…」


テレビから聞こえてくる、アナウンサーの言葉に立花は愕然とした。


それまでニュースに無関心だった立花が、慌てたようにテレビの前へ走っていった。


「まさか…!裕美ちゃんか…?」



画面にはまだあどけなさが残る、少女の顔写真が映し出されていた。


テレビの前に立ち尽くす立花の顔から、みるみる血の気が引いていった。


「もしかしてこの女子高生、立花さんの知り合いなんですか?」



「…あぁ…俺の学生時代の親友の妹だ…」