ノイズ

昨日のラフな服装と違って、黒のスーツに身を包んだ立花はどこか凛々しく見えた。


ちょっとカッコイイかも。


憧れにも似た思いで、立花の背中を眺める。


可奈は裕美の両親に頭を下げ、お悔やみを述べた。


特に裕美の母親は昨日より憔悴が酷く、父親の支えが無ければ今にも倒れてしまいそうだった。


「可奈ちゃん、来てくれてありがとう…きっと裕美も喜んでると思うわ……」



「……おばさん」



可奈の目から、また涙がこぼれ落ちた。


さっきあれだけ泣いたのに、まだ涙が出るなんて不思議だった。



「可奈ちゃん、ちょっと来てくれないか」



立花が可奈を呼んだ。