ノイズ

沙織のことが心配だったが、もうすぐ通夜が始まろうとしていた。



仕方ないか。



後でもう一度携帯にかけてみよう。



可奈は文也の後に続いて、通夜の席に着いた。


文也の隣には喪服に身を包んだ紀子が座っていた。



「可奈ちゃんお友達は来たの?」



「それがまだ来なくて…場所はわかってると思うんだけど」



「村上なら大丈夫だろう。可奈と違ってしっかりしてるから」



「何それ。あたしが方向オンチってこと?」



「可奈は地図読めないだろーが」