あたしは……いったい……どこに……いるんだろう……?



沙織は闇の中に一人でいることに堪えられなくなり、思わずその場にしゃがみ込んでしまった。


闇の中に、何か得体の知れない物が潜んでいるような気がして怖くてたまらない。


子供の歌はまだ聞こえている。


沙織は知らず知らずのうちに、同じメロディを口ずさんでいた。


童謡を歌っていると、少しだけ恐さが薄れるような気がした。


「ひっ……!」



氷のように冷たい手が沙織の頬を撫でた。


小さい子供の手。


冷たい手は沙織の頬を両手で挟むと、耳元で囁いた。