「佐々木はオカルトマニアだからなぁ」



他の同僚たちも、口々にそう言って笑った。


「そんなことより早く仕事しろよな。今週のコラム、おまえの担当だろう?」



立花は自分のデスクにマグカップを置くと、すかさず原稿チェックを始めた。


新聞社の先輩として新人の佐々木には、覚えて貰わなければならないことが山程ある。


いつまでも、テレビの前に座っているようでは困るのだ。


「それはわかってますけど…このニュース、すごい気になるじゃないですかぁ〜」



自殺とはいえ場所が場所だけに、衝撃的なニュースとして全国で流れたのだ。


凶悪事件とは無縁の雛森市民にとっては、気にするなという方が無理な話かもしれない。