ノイズ

自転車のカゴにスクールバッグを載せ、キーを解除する。


家から私立東邦学園までは自転車で15分程の距離だ。


いつもより家を出るのが遅くなってしまったが、学校には充分間に合うはずだ。


二人は急いで自転車に飛び乗った。



「おまえもノイズ聞いたんだよな?」



「裕美と話してて何度も聞いたよ」



「子供の声、聞こえなかったか?」



「子供?ううん、聞こえなかったけど。子供がどうかしたの?」



「掲示板で話した相手がさ、いや、実際に携帯で話したのは別な友達らしいけど、ノイズの合間に子供が歌ってるような声を聞いたって言うんだ」



「子供の歌…?」



自分は子供の歌など聞いていない。


可奈は首を捻った。