「河原っ。待って!」 伊藤くんちを出て数歩しか歩いてない。 「伊藤くん。あたし忘れ物した?」 キョトンとしながら聞く 「あ、いや、その‥」 伊藤くんはすごく小さな声で、暗いから送るって言ってくれた。 やっぱ、優しいんだね(笑) 帰り道、伊藤くんとは他愛もない話で盛り上がった。 伊藤くんちからあたしの家は徒歩30分ぐらい。 でも、その帰り道が今日のあたしは5分ぐらいにしか感じなかった。 「お、送ってくれてありがとう」 「おお、気を付けてな?」 伊藤くんがニカッと笑う