天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情

◆すれ違い3/3◆

「なんでと言われても、卒論提出が無事に済むかこの目で確かめにきたんだ」

「そう・・・」

「提出しておいで。ここで待っているから」


提出の手続きは五分ほどで済んだ。

「終わったね。ご苦労様」

声をかけたが反応がない。不安そうに私を見つめるだけ。

今日のみずえちゃんはどこかおかしい。

疲れているのかな。それとも肩の荷がおりて緊張の糸が切れたのかな。



「そうだ。前に行ったカフェに行かない?」

「友達が打ち上げしようって言っているからあんまり時間がないの・・・」

「少しだけでいい。せっかくの機会だから」