天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情

◆蒼の世界3/3◆

「ああ、何とか立てそうだよ。」

「無理しないで下さいね」

紫縁メガネの女の子がそう言うのを聞いて、みずえちゃんのことを思い出した。

確か同じようなことみずえちゃんも言っていたな・・・。

そうだ。ぐずぐずはしていられない。みずえちゃんの卒論見なくては。

「ありがとう」

私はそう言い残して家路を急いだ。

みずえちゃんの卒論提出の期限が迫っている。

絶対絶対卒論完成させなくては。この身を削ってでも。

みずえちゃんの悲しむ顔は絶対見たくないから。