じょり、じょり、じょり。 暗い森の中に、刃物を研ぐ音が響き渡る。 「さてと」 口もとが真っ赤に染まった青年は、足元に転がるモノを見た。 まるで眠っているような、ソレを愛おしそうに見つめて、歓喜の溜め息を漏らす。 「…いただきます」 じょり。 研ぎ終わって鋭くなった包丁をソレに向ける。 臓器を早く食べようと、裂く部分を考えていると、青年の近くにまた足音が近付いた。 「っち…零は勘がするどいな」 青年は足元に倒れているソレを抱えて、足音から離れるように森の闇に紛れて行った。