「零さん…」 零さんの大きい胸に、体を預けた。 倒れるようにした私を、零さんは優しく受け止めてくれた。 手は、包み込んだまま。 大きいけど、私の好きな手。 その手に包まれているのは、真っ黒の銃----。 私のは、弾が入ってなかった。私に人を殺させたくなかったのかな? それとも、こうなるのを零さんは知っていた? お前は来なくてもいいと言う零さんの声が、脳裏に浮かんだ。 そっと、零さんの手から拳銃を取って。 それを自分に向ける。 零さんが、目を見開いた。