「お前は…来なくてもいいのだぞ?」
零さんが私に念を押す。
確かに私が行かなければいけない理由はない。
だけど…行かないとだめなの。
「零さんが1人で行ったら、また撃たれちゃうよ?」
零さんが…好き。
大好きだから、触れるたびに切なくなる。
…でも、好きだから行くんじゃないの。
自分でも分からないけど、そうなる運命な気がする。
「もう撃たれたりするものか」
「うん…約束ね?」
零さんを見上げた。
これから、荻原の事務所に向かうんだよね…。
当たり前だ、と言った零さんに後ろから抱きついた。
…好き。
あなたが私を想ってくれなくていい。
ただ、隣に居てくれたらそれで十分だから…。
だからこそ、荻原と決着をつけないとだめなんだよね…。
