泣きそうになるのを堪える。
…会えて嬉しい、はずなのに。

鏡をチラッとみると、零さんの寝顔があった。
長い睫毛、くっきりした二重に不機嫌そうに寄せた眉間。


…やめた。
ネガティブじゃなくて、ポジティブに生きよう。


「ねぇ、ブラッドさん!」

「んー?どうしたんだい?」


とりあえず、ブラッドさんと他愛ない会話をした。

まず、お互いを知らなきゃね。
このブラッドさんも囚人なんだろうけど、話していると面白かった。


その間も、車は進んでいって…

気付けば目的地についたみたいで。