「ほらオッサンのせいで零がいじけちゃったじゃんか~」

愉快そうにブラッドが岬に言った。
すまないと、岬が俺に謝る。


「いじけてなどいない」

「…まぁ、また2人になったら続きしなよ。
ねぇ、零!」

「お前は黙れ」


ブラッドを一蹴して、岬の車に乗り込む。

変なところで岬が邪魔したせいで、今更仕切り直しもできなく気まずいムードになる。


心愛とも気まずい。
まるで生き地獄である。

仕方なく、寝ることにした。
正しくは寝るフリなのだが。

…こんな後で寝れる程、俺の神経は図太くない。



心愛…。

まだ抱き締めた感触が残っていて、それが余計にもどかしい。