もうか…。
「聞こえたぞ、零。
警官が来たんなら…可愛い弟子に変わろうか?」
向こう側で心愛が
「ちょっと岬さん!」
と言うのが聞こえる。
「…あぁ、そうしてくれ」
俺がそう言うと、岬が心愛に受話器を渡すのが分かった。
「…心愛」
「れ、零…さん?」
また拒絶だけはしないでくれと祈った。
そして、俺は言った。
「ここから出たら、俺の話を聞いてくれるか…?」
心愛が、数秒後に「うん…」と言った。
電話で済ませたくなかった。
ましてや、脱獄に失敗して俺が死んだら心愛は…答えようがなくなる。
それに、心愛の反応を目で見たい俺も居るからな…。
