…多分、彼女か奥さんという所だろう。
面会に行くとき、刑務所に居るのを忘れているような幸せそうな顔をしている。
…他の受刑者達は、面会に誰も来ない。
家族に見捨てられたのか?
…俺も似たようなもんだが。
「ねぇ零~」
「若いんだから運動してこい」
やだ、とブラッドがけだるそうに言った。
俺の隣に腰を下ろして、ベラベラと俺を質問攻めにする。
「零の名字ってなんなの?」
「さぁな…」
「忘れたの?自分の名字なのになんで?」
「…親の名字を継ぎたくない。よってもう名字なんてない」
鬱陶しいぐらいのブラッドに答えると、すぐ次の質問に移る。
