犯人がとっさに逃げるが、 ふくらはぎに当たって転んだ。 痛そうに顔をしかめる犯人を 無視して、零さんが私の手を 握って走り始めた。 「っちょ、零さんっ!? 犯人ほっておくんですか? ってか…早いです…!」 少なくなった人混みの中、 零さんは猛スピードで私を走らせた。 「こんな騒ぎだ。警察が来たらあのホテルマンが俺が銃持ってた事チクるかも、だろ」 確かに、そうかもしれない。 拳銃の所持の時点で、犯人の 仲間と思われたかもしれない。