ーー◆零 目線◆ーー



…もう何日逃げているのか分からない。

数日かもしれないし、数週間なのかもしれない。


夜明けに従って、追っ手から逃げ切った。
最近は懸賞金がどんどん膨れ上がって、もう既に二億に達した程だ。

…二億も懸賞金にかけるなんて狂っている。
そこまでするのはおかしいとも思うのだが、確実に荻原の勢力は強くなる一方だ。



「も…だめぇっ…」

ペタンと地面に座り込み、酸欠と戦っている心愛。

確かに今日は何キロ走ったのか見当がつかない。


「心愛、大丈夫か…?」


首を横に弱々しくふって、無理だと意思表示した心愛に、つい笑ってしまった。