俺の腕のなかで、 彼女は目を見開いてビックリしてる。 戸惑いを隠せてないのか、 彼女は息をすることすら 忘れてしまったようだ。 「……馬鹿」 「馬鹿ですよ」 彼女は自分でも気づいてないのか、 俺のワイシャツを、ギュッと握り締めてる。 微かに震えてるその手が、 さらに愛しく感じて。