「つぅに早く逢いたかったっ・・・・・」



ぎゅっと抱きしめる強さを強めて、柚姫は言った。


多分泣いてはいないだろうが、今にも泣く寸前の声で。




「俺も逢いたかった・・・・」



これは本当に俺の本音で、この日をずっと待ってたことに変わりはない。



ただ・・・今の柚姫の言葉は、少し自惚れてもいいんだろうか?





「ううん、つぅだけじゃない・・・。皆にも本当に逢いたかったんだ・・・」




・・・・・やっぱし・・・。


なんかいっつも前から柚姫は期待させるような言葉を先に言う。

そしてこの調子。




俺の恋は実る日が来るのだろうか・・・・・・?





「ほら、早く飲み物買って帰るんだろ?」



「あっ、そうだ!志衣にみんなの分も買ってくるように頼まれたんだった」



「げっ・・・」




あいつが頼んだとなると、もし帰るのが遅くなった場合・・・・・。




「早く行くぞっ、柚姫っ」



「えっ?ま、待ってよぉ」



被害が来るのは、俺だ!!!




俺は公園から自動販売機に向かってダッシュした。







「皆の中で誰よりも逢いたかったのはつぅなんだよ・・・」


柚姫はくすりと笑ってから、俺の後を走ってついてきた。



否、まさか本当に期待してもいいとは気づかなかった不幸な俺・・・・・トホホ・・・。