「そういえば蒼昊って知ってる?」


びくっ。


俺は今下校途中。


そして俺の前に同じ学校の女子二人が歩いてる…。



つい蒼昊という言葉に反応してしまう俺。


いけない、いけない。



「え?確か不良のトップのチームでしょ?」


「そうそう。なんだけど、総長とか他のメンバーが誰だか知ってる人がいないんだよね」


「へぇ。なんで?」


「うーん…喧嘩が怖くなって姿を眩ましてるんじゃないか、っていう話があるけど…」



なにそれー?とけたけた笑いあう女子等。



俺は必死で怒りを沈めた。


こう言われてしまうのも無理ない。




でも-----。



「なぁに怒ってんの、都賀弥?」



俺の肩に手を軽く置きながら言ったのは冬次。

俺は怒りを抑えていたから表には特に表情を見せてないはず…。



こいつ、やっぱ侮れねぇわ。…つか、いつの間にいたんだ?



「別に。それよか、お前も来んの?」


「ったりまえだろ?柚姫が帰ってくんだから」



にかっと笑う冬次は意外とかっこよかったりする。



…黙ってりゃ、モテんだろうに。




「まあ、柚姫が帰ってくんの一番に嬉しいのはお前だろうな」


「……」



俺が今黙らしてやろうか。



そう思うのに実際は冬次の思う壺。



俺は顔が一瞬で赤くなった。